おすすめのお店とお菓子

深蒸し茶にも合いそうなお店紹介。

さゝま(東京)
駿河台下の交差点近くに、さゝまはある。

情緒漂う店構え、店内の茶室、床の間には素朴な野の花が……。

だから何代も続いた老舗かと錯覚するが、実は昭和の初めに創業された店。

かくしやくとした現在の当主が初代である。

武士の出の一人息子、それが親の反対を押し切って、甘いもの好き故の和菓子稼業。

好きこそもののという例えどおり、東京には数少ない茶人好みの店となったわけである。

月ごとに銘を変えた菓子を出す店は少ないが、さ・まの特徴はそれ。

一月から十二月までびととおり試してみたい。


紫陽花
淡い紫の花が雨中に咲く姿は思わず足を止めたくなるような優艶さ。

花の色が淡青、淡紅などと種々に変化するので七変化の異名がある。

錦玉羹をさいの目にして泡雪羹でまとめ、中はさらりとした甘さの白餡である。

しっとりとしたなかにモダンさのうかがえるもの。

(さゝま)

ちょっと先取り

夏木立
白餡を赤い外郎で包み、さらに吉野葛を薄く流して包んだ手間のかかるもの。

葛の端々から紅がのぞく葛菓子。

同じ銘で他店のものには緑色の葛仕立てのものもある。

(鶴屋八幡)

早苗金団
苗代から田に移し植えるころの稲の苗は、浅緑がみずみずしい。

六月は伊勢や住吉の御田植祭の月。

整然と植えられた早苗に風が快く吹き渡っていく様が連想される。

(末富)

氷室
山麓の日陰に穴を掘り、天然の厚氷や雪を保存した室を氷室という。

六月一日に禁中に献上した。

この山をかたどった葛饅頭に、氷を模した小さな赤い羊葵を入れる。

(鶴屋吉信)

葛饅頭
こし餡を丸めて、上質の吉野葛を水溶きし、砂糖を加えて練ったものをかけて包む。

葛を使った菓子は、その透明感やつるりとした口当たりが涼しげで夏に欠かせない。

技巧を凝らさない何気なさ、また、姿や大きさにも品のよさが感じられる。

(虎屋)

ちょっと家で飲む深蒸し茶には高級すぎるかな?

さっぱり味

和賀江島
鎌倉の由比ヶ浜海岸の東南端の岬を西に河原状の磯を和賀江島といい、中世築港遺跡の最古のもの。

この磯の辺りの貝を型に、阿波の和三盆を用いた打ち物。

鎌倉には、深蒸し茶に合うお菓子がけっこうあるような気がする。

(豊島屋)

藤団子
昔は蒸し餅で藤の花形を押したものだったが、有平で輪形に作り、薬玉の五色の糸にならった色にしている。

五穀豊穣の民間信仰にも通ずる名古屋熱田の名菓。

(きよめ餅総本家)

水藻の花
水中に繁茂する藻や水草は、夏になると水面に花を浮かべてゆらめく。

藻の花の上に乗り込む田舟かな子規ともあるように季題となっている。

葛の皮から青えんどう餉が透けている。

(生風庵)

青楓
若葉が芽を吹いてしばらくすると、葉色がだんだん濃く、深くなってくる。

楓の葉は秋の紅葉とともに青葉も愛でられる。

型物の涼味のあるもの。

(末富)

お茶に欠かせないのは…

菖蒲・水
菖蒲の花を菱形に図案化したもので、和三盆を主体とした打ち物。

白で仕上げることもある。

水は、流れの様を美しくかたどった有平。

生砂糖仕上げで作ることもある。

(亀屋伊織)

時鳥煎餅・水
丸い煎餅種に味噌箔がはさんである。

表の中央に時鳥の飛ぶ姿をした焼き印が押してある。

あるへい水は有平で、臼い煎餅との取り合わせなので水色のものを。

(亀屋伊織)

柏餅
粽とともに端午の節句に用いるが、柏餅は季節のものとしての色彩が濃い。

上代から柏の葉は食器代りに使われていた。

その名残が菓子として伝わっている。

深蒸し茶と一緒に食べたのがものすごくおいしかった。


(虎屋)

初かつを
外郎と葛を合わせて薄紅に染めた樟物で、これを小口切りにするとちょうど鰹の切り身のような縞目が現れる。

ひんやりとした舌ざわりに季節感が。

名古屋の菓子。

(美濃忠)

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